師からの言葉(2/3)

(前回からの続き)

何が何やらよく分からないままに師範の前に進むと、

先輩は居住まいを正して

「師範、◯◯さん(私)が2週間続けたそうです」と一言。


「・・・・・・」  えーと。


「・・・・・・・・・・・・・」うーんと。


固まる私を他所に、「うむ、」と師範もまた居住まいを正すと私に向かって



「どうだった?」

と、一言。



その声音には厳しさよりも、

どこか素直に感想を述べて良いという柔らかさがあり、ハッとして答えました。



「はい。正しいか、正しくないかは分からないのですが、膝がより動くようになっているのが分かりました。
手先の力が抜けて、動きはだんだん早くなりました。時々何も考えていなくて惰性で続けてしまい、ハタと意識を取り戻すようなことがありました」

黙って私の言葉を聞いていた師範は



「じゃあ、次からは両足裏の重心を3点に置くことを意識して続けること。
呼吸はなるべくゆっくり、ゆっくり、糸のようにスーーー・・・と長く吐くようにね、こんな感じで」
と見本を見せて下さいました。

やや呆気に取られている私に、続けて



「人はね、力を抜こう、自然にこう動こうと思って動作をしようとした時点で、もう余分な力が働いてしまいます。

動かそうとした反対の力が働くからです。

例えば手を前に振り出そうとすると、同時に後ろへ引かれる力が働きます。すると、どうしても前に振る動きは遅く小さくなります。」

実際に自ら動作を行いながら説明を続ける師範…。



「無駄な力を入れずに身体の本来持っている“自然な動き”は実はなかなかできていないんですよ。
見るのも聞くのも、ありのままをそのまま行っているようでいて、実は自分の見たいものだけを見て、聞きたいことだけを聞いているのです」

(まだ続く)

おまけの今朝の大輪朝顔
蕾が密集し過ぎて塊で咲いてしまった団十郎さん