ソード5のカードは恐ろしいカード?
たまにタロットカードは怖い絵柄があるから嫌いだ、
結果に嫌なカードが出ると落ち込むからタロット占いはしない、
という声を聞くことがあります。
タロットカードに興味を持って自分や人を占った時に、
『 死(神) 』
『 塔 』
『 ソード9 』
『 ソード3 』
などが出ると何か不幸なことが起きるのではないかと心配になることもあるかもしれません。
この『ソード5』のカードも殺伐とした雰囲気を持つカードなので、
大好き!という方はきっと少ないと思いますし、
結果などで出た時にどう受け取っていいのか分からないと感じる方も
いらっしゃるでしょう。
風が強く吹き荒れる荒涼とした土地、波打つ海原を背景に、5本の剣(ソード)を手に入れた男が一人。
その男のほくそ笑む視線の先には、肩を落とし背中を丸めて去っていく2人の男が描かれています。
身に余る数の剣を手に入れていることから、それらが去っていく男たちから奪い取った物だということが分かります。
このカードには、奪うことで征服した勝者と奪われて立ち去っていく敗者の構図が描かれているのです。
勝者と敗者で二分された世界
ソード5には勝者と敗者のみが描かれています。つまり、勝つか負けるかの二極化された世界です。
喧嘩のような小さな争いから国同士の戦争まで含めて考えても、妥協や譲歩や休戦といった中間の世界はありません。
勝つか負けるかどちらかしか選べないため殺伐とした雰囲気がカード全体を覆っています。
注目したいのは、勝者も敗者もどちらにも血なまぐささを感じないところです。
剣を奪い合ったと想像されますが、敗者も傷などの怪我を負っているようには見えません。
刃を交える前に降参したとも考えられますが、これは知識や言葉などで相手を打ち負かすという、目に見えない勝敗も表しているのです。
そして、大事なのは、このカードを見た時に自分がどう感じるかです。
「こんな勝ち負けだけの世界なんて嫌だな」と感じるか
「勝つか負けるかだったら自分は絶対勝者になってやる!」と決意するのか
「そもそもこんな乱暴な奴に関わりたくない」などいろんな受け取り方があると思います。
果たして本当の勝者はどちらなのか問いかけるカード
タロットカードは人が生まれてから死ぬまでの世界全体を表していると言われています。
地球上で生きていく中で、一度も何とも争わずに生きていければいいのですが、なかなか
難しい時はありますね。
小さい頃の兄弟喧嘩や親子喧嘩しかり、気づいた時には何かしらの争いを経験している
ことが多いことでしょう。成長するにつれて友人や愛する人、学びの場や職場、国家間など
コミュニティーの広がりと共にその中での摩擦を経験することになります。
多くの人は、人と争わず心穏やかに幸せに過ごしていきたいと願っています。
そのために何かに「勝つ」必要があり、場合によっては「負け」を認める必要があります。
ですが、勝ち負けは本当にあなたにとって何を置いても重要なことでしょうか?
勝つとは、負けるとは、あなたにとって何をもたらすことになるでしょうか?
一見して勝者に見える5本の剣を持った男は、新たにその剣を奪いに来る相手と
戦い続けなければならないのではないでしょうか。
一人では抱えきれず地面に投げ出している剣もあります。
転がされた剣は奪い取る前と同じ価値があるのでしょうか。
敗者に見える者たちは、海向こうの穏やかな世界へ繋がる船に乗るために、
実は荷物を減らしたかったのかもしれませんしね。