当たり3回 きなこ棒

今回は、私が幼少期によく過ごしていた祖父母が住む田舎町でのできごとです。

この町での思い出を綴っていますので、こちらの記事もよかったら読んでみてください。

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自然公園から駄菓子屋を回る定番ルート

私が7歳とか8歳とか、そのくらいの頃だったと記憶しています。

専業主婦だった祖母は、朝から深夜までほとんど家の中にいて一切の家事を担っていました。外に出かけるのは、買い物やお見舞いなどちょっとしたお出かけ程度で、孫が来ていたこともあってなるべく家に居るようにしていたようでした。

そんな祖母ですが、たまにかなり長い散歩に誘ってくれることがありました。定番の散歩ルートではありましたが、家を出て長い坂道を下り、町を流れる大きな川に掛かっている高い橋を渡り、山裾の自然公園を抜けて、川の対岸の山道をぐるっと回り込むように町全体を一周して帰ってくるというコース。ゆっくり歩くと2時間近くかかるルートでした。

イラストはイメージです

季節によっては自然公園の中に屋台店が立っていたり、町の一角に農産物や乾物を売る市が立つこともありました。そういった街中ではなかなか見られない体験ができることも楽しかったのですが、何よりの楽しみは散歩コースの前半に立ち寄る駄菓子屋さんでお菓子を買ってもらうことでした。

みんな大好き、きなこ棒。

イラストはイメージです

町には二軒の駄菓子屋があり、一軒は町の中心部にあったため、よくお小遣いをもらっては買いに行っていたのですが、定番散歩コースにある駄菓子屋さんは街中のそれと比べると品数が少なく気まぐれに店を開けているような状態だったので、立ち寄ったら閉まっているということもよくありました。

ただ、この店には街中の駄菓子屋さんになかなか置いていない きなこ棒 があったのですね。5cm程度でしょうか、楊枝よりやや太めの棒に、きなこを水飴で練り固めて棒状に整えて差してあり、その差している棒の先に赤い色がついていたら「当たり」ということで、その場でもう一本もらえるというものでした。

確か、当時の金額で一本10円だったかと思います。当時、呆れるほど甘えん坊だった私は、毎回のように祖母にお菓子をねだっていたのでした。

みくら(幼少期)

おばあちゃん、お菓子買っていい〜?

おばあちゃん

いいよ。一つか二つにしておきなさいね。

みくら(幼少期)

じゃあ、きなこ棒にするー!

当時の私が買う駄菓子の中で、唯一祖母も食べていたのが、きなこ棒でした。

この時は妹も一緒だったのですが、わがまま甘えたい放題の姉とは全く違い、祖父母に甘えることはほとんどなく、倹約家で思慮深く『姉のふり見て、我がふり直せ』を地でいく真面目ぶり。妹もきなこ棒は好きなことは知っていましたが、わがまま放題の姉に呆れてか「自分は要らない」と駄菓子屋さんには入りませんでした。

みんな揃って、きなこ棒。

貴重な10円をお店の人に渡すと、箱の中から一本を選びました。

そして、その場で当たりハズレを確認するために棒を引き抜くと、見事!赤い印がついていました。

みくら(幼少期)

わーい!当たりだー!

妹は要らないと言っていたので(当時遠慮しているとは考えにも及ばず)自分とおばあちゃんの分と二本買えると喜んで、もう一つ箱の中から選びました。

やった、やったと喜びながら、一応当たりハズレを確認したところ

みくら(幼少期)

あれ!また当たった!

なんと、当たりで引いた一本に、また当たりの赤い印がついていたのですね。

驚きましたが、当たりは当たりで間違いないので、もう一本もらえるとのことでした。

そして、はい、なんと、また当たってしまったんですね。

みくら(幼少期)

うわあ!また赤いのついてる!これも当たり?

さすがにこれは当たりの印ではなくて、全部に入っている飾りではないかと心配になり、お店の人に確認したのですが、「当たりだよ。よかったねえ〜」と笑いながら小さなビニール袋にまとめて入れてくれました。

最初に買った一本と当たった三本を持って駄菓子屋から出てくると、外で待っていた妹はたくさん買ってもらったと思って呆れ顔になっていました。三回当たったと説明すると、ぼかーんとした顔になりつつも「ふーん、よかったね」としれっと歩き出しました。

みくら(幼少期)

じゃあ、これはおばあちゃんね。で、これは妹ちゃんね。
一本余るからおじいちゃんに持って帰ろうか!

当たったきなこ棒を二人に配ると、自分もさっそくひと口ちぎるように齧りつきました。

美味しいね!と声をかけると「うん、美味しい」と祖母。

黙って食べていた妹も「まあ、おいしい。」と前を見て歩きながら相槌をうち、

そして、「…よくそんなに当たったね」と呆れたようにふっと笑ったのでした。


きなこ棒は好きでそれからもよく買っており、一二回当たることは結構ありましたが、三回連続で当たりを引いたのはこの時だけでした。多分この先もないんじゃないかと思います。

田舎ののどかな散歩道を三人で歩きながらきなこ棒を食べたのは、今でも大事な思い出です。

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この記事を書いた人

- 八百万の神々に学び、タロットの叡智で道をひらく -

日本神道の心と龍神様の御加護に導かれ、タロットカードを主軸にルノルマンカードや各種オラクルカードを介して、高次元領域からの言霊をお伝えします。
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